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*コラム*  『内山健二郎の今日の一曲〜食べるように聴いている〜』       『走るクリス日記』
ミサイル兄弟

      走るクリス日記

走るドラマー・クリスの、ロードストーリー。

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7月8日(火) ロボット君状態のまま広島残留。


仕事もキャンセル。
飛行機もキャンセル。

半端じゃない。
寝違えなんかじゃないぞ!
もう。
直って行ってると思ったのだが反対側が痛くなった。
また、唾を飲み込めなくなった。
病院に行くことにした。

頸堆捻挫ではないか?
ミルトンさんはそう言っていた。
変なマッサージとかではヤバいことになりそうだ。

唾が飲み込めない苦しみ。

近所の病院に行った。
レントゲンを撮って握力を測った。
骨には異常はないらしい。
冷房のかけすぎではと言われた。
唾が飲み込めないのに食事が出来るのは意識の集中の問題らしい。
リラックスした時に唾が飲み込めなくなる。
寝れないじゃないか!

古くて暗い病院だったが看護婦さんは美人揃い。
受付の女の子は左利きだった。

湿布を貼って薬をもらった。
頸堆捻挫ではなかったが。

飛行機はもう間に合わない。
ロボット君状態のまま広島残留。
7月7日(月) 仁義なき引越し。広島死闘編


寝違え君の闘いが始まる。

坐骨神経痛を心配していたが。
寝違えのせいで腰痛のことなど意識の外だ。

9時に引越し屋さんがやってくる。
8時にホテルをチェックアウト。
部屋を掃除しながら引越し屋さんを待つ。

通販の宅配屋と引越し屋がほぼ同時にやってきた。
一人でスチール棚を組み立てられる女は通販でもいろいろ買っていたのだ。
アホアホの物もあったが。
脚立は引越し必需品だ。
昨日も掃除したのだが脚立なし。
まるで、脚立禁止の南大沢の粗清掃と同じだった。

本当の清掃ってやつをやっと出来た。
久しぶりに脚立に乗れたのだ。

通販商品の組み立て!
これがけっこう難しい。
衣装ハンガーに。
下駄箱。
下駄箱なんか木工用ボンドまで使うヤツだ。
一人でスチール棚を組み立てられる女はなんでも衝動買いしてしまうようだ。

引越しおまかせパックみたいなヤツだったのだが。
なんだ?
この詰め方は?
段ボール箱にベッドの足4つ。
後は緩衝材のエアーキャップ。
お前ら何を運んどるのじゃ!
日雇い派遣だとしたらかなりの良質バーバリアンだが。
おまかせ出来んな!
これは。
引越し屋のコスト構造を考えるとおまかせパックもバーバリアンにおまかせなだな。
やっぱり。

ヤマダ電機から冷蔵庫。
デオデオから洗濯機に照明に食器乾燥機にオーブンにドライヤーまで次に届く。
寝違えが腰痛を忘れさせたように。
引越しがいつの間にか寝違えを忘れさせてくれていた。
唾も飲めるようになっていた。

一人でスチール棚を組み立てられる女はガスの開栓を忘れていたようで俺は冷水シャワーを浴びた。
修業のようなシャワーだった。

ミルトンさんからワインとカバが届いた。

今日はもう十分働いた。

なんなく生活出来る感じになってきた。

一人でスチール棚を組み立てられる女が会社に挨拶に行ってる間にガス屋さんも来た。

もういいだろう。
今日は。

カバが冷えるのを待っている。

しかし、一人でスチール棚を組み立てられる女は恐ろしい量の服を持って来てる。
そんなにお洒落な感じではないのだが。
靴も下駄箱に入りきれないぐらいだ。
半端じゃない!
7月7日(月) 唾も飲み込めない。激しい寝違え


クリス史上はじめて。
俺の人生においてこんなに激しい“寝違え”は経験したことがなかった。
3日ぐらい前に始まった“寝違え”は昨日の夜の序章にすぎなかったのだ。
坐骨神経であることなど吹っ飛んでしまうほどの激しい“寝違え”
もしかすると“寝違え”ですらなく。
もはや他の病かも知れない。
首を回せないなんてレベルではなくなってしまった。

首が痛くて飲み込むことが出来ないのだ。
水ですら。

タンや唾を飲み込むことも出来なくなってしまった。

自分がこんなに唾を飲み込んでいたなんて意識していなかった。
唾を飲み込むたびに首に激しい痛みが走る。

俺の坐骨神経痛など病ではない。
腰の痛みなどもう感じはしない。
腰が痛くなるほど身体を稼動させることが出来なくなってしまった。

眠れはしない状態だ。

寝違えの痛みは続いていたが。
昼間のうちはそうでもなかったのだ。


文字どおり、広島上陸。
暑かった。
広島だから暑いわけではないだろうが。
激しい暑さ。

広島の街は錆びている。
なんだろう?
土壌に鉄分が多いのか?
街全体が錆びている。
金属ではない部分が貰い錆びみたいに赤茶けている。
道端のコンクリートや石造りの橋が。
錆びている。

なんだか工業地帯みたいなかんじだが。
繁華街の中心部までも錆びていた。

この錆びの原因はなんなのか?

そんなことを探っている暇などない。


引越しなのだ!
ホテルにチェックイン。
向かいの不動産屋で鍵を受け取る。
その足で部屋へ行って洗濯機パンの大きさを測る。
戻って電機屋で電機製品を買いまくる。
冷蔵庫はすでに買っていたようだが。
サイズが関係する洗濯機はまだ買ってなかったようだ。

絶対的に美しい女は“ななめドラム”の洗濯機が欲しいようだが。
マンションは古く、二曹式を想定した洗濯機パンだ。
洗濯機パンはクリアーしたとしても洗濯機置き場まで持っていけるのか?
様々な問題を抱えながらホテルの向かいにあるデオデオへ。
どうやら“ななめドラム式”の洗濯機は家庭用みたいだ。
洗濯物の量が少ないとうまく動かない問題も。
しかし、洗濯機を置き去りにして広島上陸を果たした絶対的に美しい女は安物の洗濯機を買う気はない。
貧乏性丸出しの精神。
俺も他人事だし“ななめドラム式”を使ってみたかったので口出しはしなかった。
デオデオの女の人をつかまえて他にもいろいろと買った。
どの製品も詳しく説明してくれた。
出来る女だ。
しかしよく見ると女の人はシャープの名札を付けていた。
あれっ?
シャープの人だったのか?
関係ない人をひきづり回してしまったのか?

それにしては説明が上手だし。
特にシャープを薦めてくるわけではない。
シャープから出向しているらしいが。
10年以上デオデオで働いているらしい。
これは?
あれか?
ヤマダ電機が捕まっていた独占禁止法違反?
優越的地位の乱用?
ヤマダ電機だけではないのかも。

手続きの女の子は信販会社の名札を付けていた。
デオデオの社員ってのはいるのか?
雇用問題の歪みは建築業界だけではないようだ。


大量の買い物のせいで満腹感に似た満足感を感じてしまったが。
まだまだ終わったわけではない。

デパートで引越しのご挨拶用品。
家具に自転車。
まだまだ続くが。

デパートに行ってご挨拶用品を買ったらマッタリしてしまった。

とりあえず東急ハンズで家具を見てたが。
閉店間際で買う時間はない。
自転車もハンズのはマジ・チャリだ。

広島風お好み焼きを食べてホテルに戻った頃から寝違えの首が痛み出した。

深夜に病院に行こうかとも思うぐらいの痛み。
寝返りもうてないし。
唾を飲み込むことすら出来ない。
自分が本当に価値のない人間に思えてきた。
しかしあんなに唾を飲み込んでいたとは。
意識してなかった。
7月6日(日) 仁義なき戦い広島死闘編


2日前から寝違えてしまっていて首が回らない。
坐骨神経痛に寝違えを抱えて引越しの手伝いに四国は伊予の国・松山まで。
数独をやっていたら一瞬で到着してしまった。
羽田空港でビール2杯を飲んでいたが。
数独に取り組むことが出来た。
本当にあっという間に着いていた。
旅には数独だ。


引越しの手伝いなんてやる暇もなく。
ミルトン夫妻を交えての宴。
俺は眠くなってすぐに寝た。
夜中に起きると絶対的に美しい女はまだ引越し用意をしていた。
俺は電子レンジのアースを外すのを手伝った。

そしてまた寝た。


絶対的に美しい女は広島へと転勤になったのだ。
仁義なき戦いの街・広島だ。
マンションも原爆長屋の川向こうだ。
原爆長屋は本当にあったようだ。
今では市営住宅みたいな団地になっているらしい。


俺にはちょっと特殊な能力がある。
自閉症の人間が持っている能力みたいな特殊性がある。
大人になってもしばらくはその特殊性に気づいていなかった。
みんながそうだろうと思っていたのだ。
ほかの人が違うのにはなかなか気付かなかったのだ。

その能力とは。
土地堪とでも言うか、地理の把握だ。
地図がなくてもその能力は発揮出来るのだが。
地図を見ること自体も大好きなのだ。
夜中に広島市内の地図をながめて市内の地理をたたき込む。

もう広島市内のことなら俺に任せろ!
今日は広島のホテルに泊まる予定だが。
ホテルは広島市民球場の隣だ。
今年でなくなるらしいがカープファンの聖地。
広島市民球場。
ケンちゃんに自慢出来ると思っていたが。
なにっ!
近所にリーガロイヤルホテルってのがある。
シャービック作っているロイヤルグループか?
シャービック食べ放だいサービスのリーガロイヤルホテルか。
ハート型に星型シャービック。
リーガロイヤルホテルにするべきだった。

そんな思いを胸に広島市内の地理をたたき込む俺だった。

広島まではビューンと走る船で行くのだ!
どうなる?
広島死闘編。
7月5日(土) すさまじきもの真夏の引越し。


南大沢をちょっと早めに脱出。
羽田へと急ぐ。

ヨウイチロウは復活して俺といっしょに仕事していたのだが。
今日は違う仕事をやらされてしまった。

さっそく職長のヤサカボーイに怒られていたが。

ヨウイチロウには負荷が高すぎるのでは。
ヤサカボーイももうちょい考えなければ。
しばらく俺はいないのだがヨウイチロウはサバイバル出来るのか?

そんな不安を胸に今日の最終便で四国は松山へと向かう。

愛媛で働いていた絶対的に美しい女が転勤になってしまったので引越しのお手伝いだ。
坐骨神経痛の身体をひきづりながらの引越しの手伝いだ。
本気で手伝うつもりなどなく。
観光気分だったのだが。

直前になってミルトン夫妻も参加することになった。
これはヤバいことになってしまった。
引越し奴隷か?

朝からビール飲んでプラプラの予定が!
いいから!いいから!でお昼寝のつもりが。
音をたてて崩れるような気分だ。

真夏の引越し。
枕草子の“すさまじきもの”の中に真夏の引越しがなかったのが不思議だ。

“すさまじきもの”は最近の女のお笑いピン芸人の原型みたいな感じがする。
女とは限らないな。
あるある探険隊も“すさまじきもの”スタイルだ。

日記文学としてもクリス日記のお手本にしたいのだが。
高校以来まったく読んでいない。
読むとすぐに影響されてしまう俺だ。
アンネの日記
徒然草
枕草子は読みたいとは思っているのだが。
なかなか暇がない。
土佐日記もあるが最近流行りのお姉キャラ。
読む気がしない。

真夏の引越しもすさまじきものだが。
南大沢から羽田空港への道のりもすさまじい。
エアポートリムジンもあるようなのだが。
時間に余裕がないので調べてもみなかった。
土曜日の京王相模原線自体がうんざりトレインなのに。
調布でうんざり。
新宿でうんざり。

考えてみたらそんなに仕事が忙しいわけではないので休んでも構わなかったのだ。
いつも休む前はめいいっぱい働く癖がついてしまっている。
わけもなくそうしていた。
のんびり出来ない貧乏癖が染み付いてしまっている。

せめてキハチで一服したいものだが。
やっぱり無理かな?

山手線では結婚式帰りの酔っ払い軍団に囲まれてしまった。
みんなご機嫌で。
俺までなんだかご機嫌な気分になってしまったじゃないか!
口の中はキハチでシャンパンモードだぞ。
えらくご機嫌な一族だ。
みんな引出物のウェスティンホテルのでっかい紙袋を持って電車に。
普通はタクシーだろうと思うのだが。
みなさんハッピーで不快感はない。
結婚式ってそんなものか。

ここまでの俺の苦悩を知ってか知らずか?
京浜急行はご機嫌トレイン。
品川を出たら蒲田に羽田空港のどっかーんトレインだ。
しかも空いている。

ついさっきまで南大沢の山奥にいたなんて。
怒涛の現場で汗まみれだったなんて。
嘘のようだ。


チケットのアレンジに時間がかからなければキハチて一服は可能な感じだ。
いいぞ京浜急行!


美味い!
今年飲んだビールで一番かも。
こんな時のためにビールはあるのかも。
チケットのアレンジはスムーズだった。
“やらと”で桐の箱に入ったゴージャス羊羹を購入。
キハチで一服にたどり着くことが出来た。
パーフェクト。

二杯目のビールを注文。
パーフェクトな気分だ。